「多文化共創」という選択
日本の福祉・介護業界全体が深刻な人手不足に直面しています。少子高齢化の進行に伴い、質の高いケアを維持することは長年の課題です。
ミヤマリンクが採用した解決策は、外国籍スタッフの積極的な受け入れです。ただし単なる「労働力補充」ではなく、国籍・文化・宗教の違いを相互に尊重し、新しい福祉の価値を共に創出する営みとして位置付けています。これを「多文化共創」と呼んでいます。
現場で起きていること
番組では実際の施設での日常を取材しました。外国人スタッフが介護技術や言語の壁をどう乗り越えているか、日本人スタッフや利用者がどのように受け入れ、コミュニケーションを育んでいるかが丁寧に映し出されました。
外国人スタッフから:「利用者さんは自分の家族だと思って接している。いつも明るく楽しい雰囲気を作るのを大事にしている」
日本人マネージャーから:「明るく笑顔で接したり、わかりやすい日本語を使ったり、利用者さんの顔写真を貼るなど、外国人スタッフが不安にならず仕事ができるようにいろいろな工夫をしています。」
違いは壁ではなく力となることを現場が証明しています。
これからも、現場から
今回の放送を通じ、日々の実践を多くの方に伝えられたことに喜びを感じています。多文化共創は特別な取り組みではなく、一人ひとりと向き合い、共に働き、共に場をつくることの積み重ねです。これからも現場から発信し続けます。
外国人材の受け入れについて話をしていると、「まずは日本語を覚えてもらわないと」という声をよく耳にします。もちろん、日本で働く以上、日本語を学ぶ努力は必要です。「郷に入っては郷に従え」という考え方も大切だと思っています。
ただ、介護現場や外国人支援の実務に深く関わるようになってから、強く感じることがあります。それは、「外国人が理解できない」のではなく、「日本人側が、伝わるように伝えていない」という場面が、実は非常に多いということです。
「察する文化」は、伝わらない
日本人は、察する文化の中で生きています。「これくらい言えば分かるだろう」「空気を読めば理解できる」「先輩を見て覚える」。こうした文化は、日本社会の中では効率的に機能してきました。しかし、海外で育った人にとっては、その暗黙の了解そのものが存在しません。
「様子を見てください」「適宜お願いします」「あとでやっておいて」——日本人なら自然に理解する言葉でも、外国人スタッフには「何を」「いつ」「どこまで」やればいいのかが分かりません。これは日本語能力だけの問題ではなく、日本語そのものが文脈依存の強い言語だからです。
伝わることは、技術であり敬意である
私は、外国人材の支援をする中で、これは単なる外国人対応の話ではないと感じています。本質は、「相手に伝わるまで考える力」です。
介護でも同じです。専門用語ばかりで説明しても不安はなくなりません。認知症の方に長い説明をしてもかえって混乱することがあります。介護職が自然と安心できる言葉で相手に合わせて伝える工夫をする——この力こそ、「やさしい日本語」の本質だと思っています。
「簡単な言葉」ではなく「具体的な言葉」へ
ただし、「簡単な日本語を使えばいい」という話ではありません。幼い言葉を使うことでも、ひらがなを増やすことでもありません。本当に大切なのは、「相手が行動できるレベルまで具体化すること」です。
これは外国人材だけでなく、日本人の若手育成でも同じです。離職やミスの原因が、「能力不足」よりも認識のズレであることが少なくありません。
多文化共創とは、単に外国人を受け入れることではないと思っています。違いを前提にしながら、お互いに歩み寄り、伝わる努力を双方が持つこと。その積み重ねが、「一緒に働ける職場」になり、「共に生きられる地域」につながっていくと信じています。
日本は予測不可能な自然災害と向き合い続けた歴史を持つ国です。この環境が、人々に「相互扶助」の文化をもたらしました。
不安が人をつなぐ
日本社会は「関係性」を中心に構成されてきました。生存の必要性から培われた思いやりは、弱さではなく「経験に支えられた強さ」です。
異文化受容の特徴
日本は異なる価値観を「消さずに共存させる」文化を持っています。クリスマス、ハロウィン、お盆など複数の慣習が自然に共生しています。
群馬の位置づけ
群馬県は製造業から介護まで、外国人材が重要な役割を担う地域です。多文化共創の先進県となる可能性を秘めています。
2040年の課題
約69万人の追加介護人材確保が必要とされており、「誰とこの社会を支えるか」という根本的な問いが生じています。
現場での実例
言語が完全でなくとも、「理解しようとする姿勢」が関係構築の鍵となることを示す介護施設での事例が紹介されています。
不安は分断または共創のどちらにも転じ得ます。次世代型共創を選択することで、2040年への指針が見出せます。
2026年4月26日の上毛新聞に掲載された記事によると、「20代の外国人比率が群馬県では2025年に14.1%で全国1位」となり、全国では10年で倍増しているとのことです。これは群馬における人材確保のあり方が大きく変化していることを示しています。
一方で、出入国在留管理庁のデータでは、2024年に群馬県で確認された不法就労者数は1,799人で、全国3位という状況です。外国人材の受け入れが進む地域だからこそ、適正な雇用管理と支援体制の重要性が高まっています。
この課題は、外国人材そのものを問題視するのではなく、受け入れ側の制度理解や管理体制が問われているものです。
外国人材が活躍することは、地域に新しい力が生まれていることを意味します。しかし、その力を引き出すには、採用後の環境整備が不可欠です。言葉の壁、文化の違い、生活環境への適応など、一人ひとり異なる課題に対応する必要があります。
企業が外国人材を受け入れる際には、登録支援機関の選択が重要です。手続きだけでなく、入社後のフォローまで責任を持つパートナーであることが、外国人雇用の成否を分けます。
群馬は外国人材とともに成長する可能性を持つ地域であり、ミヤマリンクは適正な受け入れと丁寧な支援を通じて、このビジョンの実現に取り組んでいます。
このたび、ミヤマリンクが支援する外国人材として、インドネシア出身の2名が来日しました。
2名は、深夜に日本へ到着する便で入国しました。長い移動を経て、日本での新しい生活と介護の仕事が始まります。
彼女たちは、日本で働くことに希望を持ち、新しい環境での一歩を踏み出しました。慣れない土地での生活には、不安も緊張もあると思います。それでも、これから始まる日本での生活と仕事に向けて、前向きに歩み出す姿が印象的でした。
外国人材の受け入れでは、採用して終わりではなく、職場に慣れるまで継続してケアをしていくことが大切です。言葉や文化、生活習慣の違いをふまえながら、本人たちが少しずつ職場に慣れ、力を発揮できるように支えていく必要があります。
今回の来日は、ミヤマリンクにとっても初めての、大切な受け入れとなりました。入国時のサポートから生活の立ち上げ、職場に慣れるまでの相談支援まで、本人たちと受け入れ施設の皆さまに寄り添いながら、丁寧に関わってまいります。
新しく来日した2名が、安心して働き始められるように。そして、受け入れる現場にとっても、よい出会いとなるように。
ミヤマリンクはこれからも、外国人材と受け入れ施設をつなぎ、長く働き続けられる環境づくりを支援してまいります。
2026年4月22日、高崎経済大学にて開催された学生団体SONOSAKI主催のイベント「TCUE KICKOFF SESSION 2026」に、ミヤマリンク代表の天田が登壇しました。
当日は、水口学長をはじめ、OB起業家や在学生代表とともに、「ターニングポイント」や「理想の叶え方」をテーマにトークセッションが行われました。
セッションの中で印象的だったのは、人とのつながり方、そして立場を越えてどのようにLINKしていくかという視点です。
意見交換が行われる中で、私たちの中に自然と思い浮かんだのは「自他共栄」という言葉でした。相手の挑戦や成長を支えることが、巡り巡って自分たちの未来にもつながっていく。そんな関係のあり方を改めて考える機会となりました。
また、学生の皆さんの熱意に触れ、私たちもその姿勢に恥じない仕事をしていきたいと感じると同時に、人とのつながり方そのものが社会課題となる今、ミヤマリンクの事業の必要性についても改めて考えさせられました。
ミヤマリンクでは、「人手不足を補うための外国人採用」ではなく、優秀だから採用するという考え方を大切にしています。そのためには、単に採用するだけでなく、彼らがその力を発揮するための土台となる「伝わる環境をつくること」が不可欠です。
今回のイベントを通じて、これから社会に出ていく学生の皆さんと、「どのように人が活躍できる環境をつくるか」という視点を共有できたことは、私たちにとっても非常に有意義な時間となりました。
ミヤマリンクはこれからも、地域や教育機関とのつながりを大切にしながら、人と現場の未来をつなぐ取り組みを続けてまいります。
2027年4月より、特定技能制度における対象分野の拡大が予定されています。人材不足が深刻化する中、外国人材の活用は一部の業界に限らず、より広い分野で現実的な選択肢となりつつあります。
制度変更のポイント
今回の見直しでは、新たに以下の分野が追加される予定です。
影響
対象分野の拡大により、受け入れ対象分野の企業側には以下のような変化が想定されます。
- 人材確保の選択肢が広がる
- 採用競争が早期化する
- 受け入れ体制の整備が重要になる
外国人材の採用は「採用して終わり」ではなく、入職後の定着や育成までを見据えた準備が不可欠です。
今から準備しておくべきこと
制度拡大に備え、以下のような準備を進めておくことが重要です。
- 受け入れ体制(教育・フォロー)の整備
- 業務マニュアルの見直し(やさしい日本語の活用)
- 社内での理解促進・役割分担の整理
早い段階から準備を進めることで、採用後の定着率にも大きく影響します。
ミヤマリンクの考え方
「人手不足の補充ではなく、優秀だから採用する時代へ」という考えのもと、外国人材の採用から定着・育成までを一貫して支援しています。
制度の拡大は、単なる人材確保の機会ではなく、現場のあり方を見直す機会でもあります。多くの企業にとって新たな可能性をもたらす一方で、受け入れ体制が整っていなければ定着につながらないケースも少なくありません。今後の制度動向を踏まえ、早い段階からの準備が重要です。